“ 今日も 今日とて ホテル日和 ” #1「ホテル」という場所で「生きる」ということ
「ホテルって、どんなところ?」
さて、突然の質問です。
謎かけやいじわるクイズではありません。
表現の違いこそあれ、この質問に答えられない人はいないですよね。
泊まるところ、寝るところ、はたまた寛ぐところ、非日常を味わうところ、といったところでしょうか?
ホテルの機能から考える
「泊まる」ために必要なこと
人は、様々な目的に向かって行き来し、その中で一時の宿が必要となる時にホテルや旅館、民宿などの宿泊施設を利用します。
ルートインホテルズでも、お仕事はもちろん、ご旅行やご会食など、様々なイベントの中でご利用いただいています。感謝です。
さて、ホテルの仕事を、ホテルの持つ機能で考えれば
・ベッドが用意されていて、睡眠をとることができる場所
・おなかが空けばレストランで食事をすることができる場所
・一日の疲れと汚れを洗い流す入浴ができる場所
など、お客様にお過ごしいただくための最低限の機能をご用意し、ご不便のないようにご宿泊いただくことは欠かせません。
お客様のサポーターという役割
では、ホテルの機能を踏まえて、私たちの仕事はなに?と聞かれたら
「客室でベッドシーツを張ったり、掃除をしてきれいにすること」
「朝食を作って並べること」
「浴室にお湯を張り、洗い場の汚れを取り除くこと」
といったような答えになります。
実際に、このような業務は必要必需です。
そもそも「ホテルに泊まること」が本来の目的になることは少なく、大半のご宿泊は、その先の目当てがあるものです。私たちは宿泊を通じて、お客様のお目当てのイベントや用事が、より良いものになるよう側面的にサポートさせていただくという位置づけになります。
ホテルはいつでもお客様のサポーターであり、そのために私たちが持つべきホテルの機能が必要となるのです。
ホテルの語源から考える
巡礼者への深い慈しみ
その昔、古代ヨーロッパで「旅」といったら、巡礼の旅のことでした。
そして、その巡礼者が旅の途中で空腹や喉の渇き、そして疲労や病気を患った時に、村の人々は無償で飲食やベッドを用意し、客人として保護したといいます。
そんな、村人のもてなしとやさしさの精神が、ドイツのローテンブルクに建てられたシュピタール門に刻まれた銘文『Pax intrantibus, Salus exeuntibus』(歩み入る人に安らぎを、去り行く人に幸せを)というフレーズに表現されています 。巡礼者への尊敬と慈しみに、静かな感動を覚えます。
これはホテルオークラの精神としても掲げられているそうです。
「ホテル」の語源に込められた精神
「客人の保護者」という意味を持つhospes(ホスピス)から、その精神を示す言葉としてHospitality(ホスピタリティ)という言葉が誕生し、さらに、これを語源とするいくつかの言葉が生まれたのですが、実は「Hotel」(ホテル)や「Hospital」(病院)も、これを語源として生まれた言葉です。
病院は、皆さんもご存知の通り、傷ついた人、病を患った人を癒し、治療し、また元気になっていただく場所です。
そして、ホテルは、疲れと空腹を満たし、傷ついた心も体も元に戻り、また元気にご出発していただく(いただきたい)場所です。
つまり、病院もホテルも本質は同じ場所だということ。原義として、養護施設のようなホスピスの機能と精神を持っているのです。
ちなみに、Host(ホスト)Hostess(ホステス)も派生語です。
私たちの本当の仕事
その目的はなにか
仕事には目的、目指す姿があり、それを成すために手段がありますよね。
これって、どちらも大切なことなのですが、ともすると手段に意識が向いてしまいがちです。忘れてはならないのが、何のためにその手段を講じるのか、という視点。
「ホテルってどんなところ?」と聞かれたら、14世紀のドイツのローテンブルクに建てられたシュピタール門に刻まれた言葉を思い出してしまうのです。
シュピタール門に刻まれた言葉、そしてホテルの語源を知れば知るほど、これが私たちの仕事の本質であり、ホテルを生業とする者が目指すところなのだと、心が揺さぶられます。
客室やロビーを掃除すること、朝食を作ることはもちろん、パンフレットを用意すること、様々な手配を代行すること、イベントやサービスを考えることなど、ホテルにはたくさんの機能がありますが、あくまでも手段に過ぎない、と思えてくるのです。
いつでも どこでも 人とともに
心も身体もより豊かに、更に元気になって、旅立っていただくこと――
これが、ホテルを生業とする私たちの矜持、ホテルの持つ存在意義であると、そうありたいと、今日も今日とてお客様をお迎えしているのです。
日本全国、そして世界各国には、たくさんのホテルがあります。
もしもあなたがホテルの清掃担当として働くスタッフだとして
「あなたの仕事は何ですか?」
と聞かれた時、次の二つの答えを口にしてみてください。
A.「客室を清掃する仕事です」
B.「清潔なお部屋をご用意し、疲れをとっていただく仕事です」
さて、この二つの答えは明らかに違いますよね。
見ての通り、言葉の使い方や言い方は異なります。同じ客室を仕上げる業務であることには変わりないのですが、言葉を発したときに生まれる感覚や伝わってくる思いが明らかに違うと思いませんか?
ここで大事なのは、違いを生んでいる要因です。
「何か」があるかないか、なのですが、さあいったい何でしょうか?
(またクイズ・・・)
ヒントは、二つの答えの主人公は誰?ってことです。
この回答のそれぞれの主語は、Aは自分、そしてBはお客様です。
言い方を変えれば、言葉の中に存在している「人」が違うのです。この違いによって、口にした本人も、相手に対しても、伝わってくる感情や感覚が違ってくるのだとわかります。
また、自分の仕事の本質をどう理解しているのか、の違いが表れているのです。Aの答えとBの答え、どちらも正解ですが、どちらを口にするかによって、仕事に対する価値観に差が生まれ、お客様への向かい方も違ってくるように思います。
ホテルで働くということは、そこにひと時の休息と癒しを求めて訪れる旅人とともに在るということ。
だから、私たちは、このフレーズをスローガンにおくのです。
「いつでも どこでも 人とともに」
実際に働く総勢44名の仲間の想いが溢れるコンセプトCMがこちらです。
社会をつなぐ連鎖「誰かのほんの少しの幸せのために」
「ホテルって、どんなところ」の、私たちの答え
ホテルという機能を駆使して、宿泊される旅人を守り、癒し、元気に旅立っていただく場所であること。そして、喜びと感動が生まれる場所であること。
私たちは、訪れる旅人にとって、そんな場所でありたいのです。
社会って、誰かをほんの少しの幸せのために、という連鎖で成り立っているのだと思うのです。
客室清掃も食事を作ることも、たくさんの製品や商品を作ることも、野菜を作ることも、モノを運ぶことも、ごみを回収することも、必ず誰かをほんの少し幸せにしているんです。
コーヒー好きには欠かせない、仕事の合間のコーヒータイムだって、豆を栽培する人がいて、その豆を商品として仕上げてくれる人がいて、流通させてくれる人がいるからこそ、もたらされる至福の時間。
このほんの少しの幸せは、頑張ってくれているたくさんの人のお陰なんだ、と思えてきます。有り難いことなのです。
そんなことを思いながら、目の前の一杯のコーヒーを口に含めば、1パックなんぼのコンビニのお得なコーヒーだって、味わいのある、コク深い逸品になっている気がするっていうね。。。ゴクッ・・・フゥ~ ・・・ウマイ
ホテルって、毎日たくさんの人が訪れ、一夜を過ごしてまた旅立っていく場所。人の往来の拠点として、全国各地の様々な場所で、いくつもの出会いと旅立ちの連鎖で繋がっています。
その中で「ほんの少しの幸せ」を感じていただけるように、訪れるお客様を歓迎の笑顔でお迎えし、温かく美味しい食事や飲みもので活力を取り戻していただく・・・
ピンと張った気持ちの良いシーツのベッドと居心地の良いお部屋で、心穏やかに安心してぐっすりとお休みいただく・・・
そして、また新しい場所に向かって元気に出発される姿を見送る・・・
訪れる人に向かい合いながら、私たちが働いている場所が、Happyがたくさん生まれる場所でありたいのです。
for good journey , for good life 善き旅は、善き人生の旅路
ローテンブルクの村人も、おんなじキモチだったのだと思うのです。
最後に
ホテルを生業とする者にとって、このローテンブルクの精神
「歩み入る人に安らぎを、去り行く人に幸せを」
を思い出すたびに、矜持を持って生きていくことができる。。。。
これって浪漫・・・そう、これってホテルで働く浪漫なんだな。
「無償の奉仕か・・・ん?つまりタダで泊まれるってこと?」と、突っ込まれそうですが、 もちろん、古代ヨーロッパのように、旅人に無償で食事やベッドを提供することはできません💦
たとえ、お客様が巡礼者だとしても、お駄賃はいただきとうございます
あしからず。。。
いつの日か、人生の旅路で、この記事をふと思い出していただいた時に
”ルートイン”ブルクにある(笑)私たちの宿を訪れていただければ・・・・
是非っ!!
・・・どこや?
今日も今日とて No hotel , No life
note編集部
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