「組子細工」だけに!?タッグを「組んで」大成功!地元の生徒さんとの出会いが生んだホテルイベントとは
さてさて、今回のストーリーは、「新しいCM出来ました!」の記事でも登場した「組子細工(くみこざいく)」にまつわるお話。
※記事はこちら➡「新しいCM出来ました!」
ルートインホテルズには、組子細工をロビーに飾っているホテルがあり、その郷土の特徴を組子細工を用いて独特の風情と壮大なスケールに仕上げ、お客様をお迎えしています。
例えば、グランヴィリオホテル奈良‐和蔵(わくら)‐
フロントの背景に配置された組子には、奈良の鹿や法隆寺などが描かれ、飛鳥時代の歴史の趣を漂わせ、訪れた人を古都・奈良へといざないます。
組子細工とは
古より伝承された日本の職人技
伝統木工技術「組子細工」とは、釘を使わずに木を幾何学的な文様に組み付ける木工技術のことをいいます。 細くひき割った木に溝・穴・ホゾ加工を施しカンナやノコギリ、ノミ等で調節しながら1本1本組付けする、何とも繊細な技術。
そして格子状に組みつけた桟(さん)の中に「葉っぱ」と呼ばれる小さな木の部品を様々な形にはめ込むことで幾何学模様を表現します。遠く飛鳥時代から長い年月をかけて職人たちの伝統を守る心と情熱により、現代まで引き継がれてきた伝統です。
聖徳太子が広めた組子細工
今から約1,400年前、仏教が百済から伝来し、それと共に寺院建築に必要な職人、道具、技術も伝わってきました。聖徳太子は全国四十六箇所に寺院を建立したとされ、今でも太子は「職人の神様」として全国で崇め奉められているとか。組子細工の元となる技術はその頃から始まったとされ、繊細な日本人の感性により、時代と共に少しずつ変化してきています。
はじまりは、ひとつの出会いから
支配人の藤崎が、ハマッた⁉
「実際に制作してみると、とても楽しいんですよ」
と自作の組子細工コースターをドヤ顔気味で手に持つのは、グランヴィリオホテル宮島和蔵の支配人(当時)・藤﨑信明。
組み立てのガイドもない中で、完成写真を見ながらコースターづくりに取り組んでみると、想像していたよりは簡単に完成できるとのこと。
しかし、なぜ、組子のコースターづくりなどしているのか・・・。
仕事はどうした!まさか、組子細工にはまって、その道を目指している??
・・・のではありません。
この組子細工が繋いだ、地元の高校生との縁。その縁がホテルのイベント開催へと発展したお話、これが今回のお伝えしたいストーリーです。
地元の高校生が訪問
ホテルのある地元広島県廿日市(はつかいちし)に宮島工業高校という、ものづくりを通じて心と技を磨くことを掲げている高校があります。
そこでは組子細工の授業を行い、廿日市に広めるためのワークショップも開催しているのですが、その生徒さんが組子細工の工房に連絡をしたところ、工房の作品が廿日市にあると判明。教諭と共にホテルを訪れることになった・・・のでした。
そう、新しい当社のCMではラストシーンに長野県上田市にあるホテルルートイングランド上田駅前のフロントロビーにある組子細工が映っていますが、ここグランヴィリオホテル宮島和蔵のフロントロビーにも、地元の名所を描いた壮大な組子細工のアート作品が飾られているのです。
高校生とタッグを組んだイベントの実現
藤崎の思惑が実を結ぶ
「顧問の先生と見学に訪れた生徒さんたちは、ロビーに飾られた作品に眼を輝かせていました。その時にコースターキットをいただいたんです。せっかくいただいたいので見よう見まねで挑戦しました」(藤﨑支配人:当時)
というわけで、完成したのが冒頭の作品。
手作りの面白さと完成した達成感を感じた藤崎支配人は、この体験をご宿泊のお客様にも体験していただいたら喜んでいただけるのではないか・・・と考え始めます。
そんな折、宮島工業高校の教諭から連絡が入り、会うことに。藤﨑の想いと教諭の願いが一致し、ホテルのお客様イベントへと繋がったのです。
「ホテルにお泊りの大切なお客様に体験していただくので、実際に私がお客様役としてリハーサル行うことになりましたが、生徒の皆さんはとても礼儀正しく、教え方も上手で感心しました。」
そんな出会いから生まれた生徒さんによるイベントは無事終了。
「参加されたお客様に感想を聞いたのですが、とても楽しかった、いい思い出ができた、このコースターすごい!などのお声をたくさんいただきました。そして、生徒の皆さんに、お客様の声を伝えると、生徒さんたちも大変喜んで、本当にやってよかったです。」(藤﨑支配人:当時)
ワークショップがもたらしたもの
「私たちは大きな作品を実際には見たことがなかったのですが、ホテルに見学に行かせていただき、とても感動しました。宿泊されたお客様に、この作品の素晴らしさや組子細工への興味を少しでも持っていただけたらと思っていたので、多くの方が笑顔で帰られる姿をみて、よかったと思いました」(参加した生徒Sさんより)
「体験されたお客様から、楽しかった!また組子をしたい!と感想をいただき、ものすごく嬉しかったです。他県から訪れたお客様に観光した感想などもお話いただき、あらためて地元・宮島は素晴らしい観光地だと思えました。これから後輩たちにも引き継ぎ、組子細工を普及する活動を頑張ってもらいたいです。」(参加した生徒Tさんより)
参加されたお客様はもちろんですが、イベントを共に運営してくれた生徒さんたちの感想を聞いて、この「地域と共にタッグを組んで取り組む」ことで生まれる、人と地域とが織りなす出会いと共に、組み重なっていく価値を感じます。
まさに組子細工のように・・・。
手ごたえを実感した藤﨑支配人は、第2回目を開催したいと目論む。
「当ホテルは4年目を迎えており、まだまだ歴史が浅いホテル。地元の皆様に少しでも貢献したいと。この組子細工のイベントはそのひとつになりました。本当に大成功で、楽しい1日でした。」
なにやら、お客様以上に楽しんだ感が満載のようですが、お客様もスタッフも、みんなが楽しいことが一番!です。
「宮島工業高校の先生、生徒の皆様、本当にありがとうございました。皆様の力で組子細工を広めてください。応援しています!」と力が入る藤崎支配人ですが、次の作品が完成したら、是非お知らせくださいませ^^
後日談
そののち藤﨑がアークホテルグループの料飲シニアマネージャーとして異動した現在でも、藤﨑の想いと繋いだ縁はしっかりと引き継がれ、同じイベントの第2回目が今月すでに開催されたとのことです♪
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